顔のむくみ気になりませんか?(顎関節症)
自分の顔を鏡で見て
顔のむくみが気になる方は
「顎関節症」
が原因なのかもしれません
顎関節症とは
顔のむくみと顎関節症の関係の前に
まずは「顎関節症」について知りましょう
顎関節症を辞書で調べると
「噛む筋肉の咀しゃく筋や
顎関節の障害によって
あごやあごの周囲の組織に生じる
さまざまな疾患の総称」
と記載されています。
端的に言えば
顎関節症は「顎関節の病気」です
補足1)咀しゃくとは
- 上あごの骨(上顎骨)
- 下あごの骨(下顎骨)
- 歯
- 舌
全ての力を総動員して
食べ物をしっかりと噛み込むことで
唾液と食べ物を充分に混ぜ合わせ
「食べ物の消化吸収を高める行為」
の事を言い表します。
ですので
単純に、咀しゃくとは
「歯で物を食べる行為」
の事ではございません
補足2)噛む筋肉の咀しゃく筋
- 咬筋
- 側頭筋
顎関節症が発症する原因
- 精神的ストレス
- 歯の噛み合わせが悪い
- あご(顎関節)に悪い日常生活の癖
- 姿勢の悪さ
- かおの外傷(転倒や交通事故)
など
上記のいくつかの原因が
複雑に絡み合う事で
顎関節症は発症します
顎関節症が発症すると
- 口が開けにくい
- 口の開閉時に、耳の辺りで音が鳴る
- 物が噛みにくい
- あごが痛い
- あごの周りに疲れを感じる
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- めまい
- 耳が痛い
などの症状が出現します。
顎関節症の症状が
整体院や治療院
もしくは
病院や歯科医院に行っても
「楽になりにくく」
且つ
「治りにくい」のは
1つだけの原因の治療しかしていないからです
- 1つだけの原因(寄与因子・ストレス)の治療例①
- 精神的ストレスが原因なら
カウンセリングのみを行う
- 1つだけの原因(寄与因子・ストレス)の治療例②
- 歯のかみ合わせが悪ければ
かみ合わせのみを直す治療のみ
繰り返しで恐縮ではございますが
顎関節症は
1つだけの原因で発症するより
色々な種類の原因が複合して
発症する事が一般的です
顎関節症の男女比
顎関節症は特に20~30歳代に好発します。
男女比では女性に顎関節症が多く
男性の約2~4倍女性に発症しています。
顎関節症は決して珍しい病気ではなく
「一生の間に2人に1人が顎関節症を経験する」
とも言われています
顎関節の仕組み
あごの関節の顎関節は
耳の前方約1cmの所にあります
顎関節は日常生活の中で
酷使されている関節の1つで
- 食事(咀しゃく時)
- 会話
- あくび
の時に絶えず動いています。
その数なんと
1日に約2000回~3000回
あごの動かしかた
あご(下顎骨)の動く方向は
- 前突(あごを前に出す)
- 後退(あごを引く)
- 側方運動(左右に動かす)
- 挙上(口を閉じる)
- 下制(口を開ける)
に分類が出来ます
顎関節症のチェック法
(その1)自分の顔を鏡に映して
大きく且つゆっくりと
口を開閉させます。
「口の開閉時にあご先が
左と右のどちらかに
揺れていませんか?」
(その2)自分の顔を鏡に映して
舌を大きく前に出します。
「真っ直ぐ前に
舌が出ていますか?」
(その3)口を大きく開けた時
「人差し指・中指・薬指の3本が
口に対して縦方向に入りますか?」
(その4)自分の顔を鏡に映して
- 右と左の目の高さ
- 右と左の口角の高さ
が同じ位置にありますか?
上述した4つの
顎関節症のチェック法をして
①口の開閉時にあご先が
右もしくは左に揺れたり
②舌を大きく前に出した時
真っ直ぐ前に舌が出ず
右もしくは左に舌が出る
③口を大きく開けた時
人差し指もしくは人差し指・中指の
1~2本しか
口に対して縦方向に入らない
④左右の目の高さが違う
左右の口角の高さが違う
上記の4つのサインが
1つでも自分に当てはまる方は
「顎関節症」の可能性がございます。
補足
舌を大きく前に出すチェック法で
自分が顎関節症かどうか
なぜ分かるのでしょうか?
顎関節は
- 側頭骨(頭蓋骨の骨)
- 下顎骨(下あごの骨)
で構成されています
顎関節症になると
あご先が左右どちらかにズレます。
あご先は「下顎骨の一部」なので
あご先が左右にズレるとは
言い換えると
「下顎骨の左右のズレ」となります
あご(顎関節)の構造は
ブランコの構造に似ています
- ブランコが顎関節
- ブランコの椅子が下顎骨
- ブランコの天井が側頭骨
- ブランコの椅子を支える両側の鎖が筋肉
ブランコを動かす時に
ブランコの椅子が傾いていては
ブランコは正しく動きません。
ブランコの椅子は
左右にある鎖で支えられているので
ブランコの椅子(下顎骨)が
左右に傾いたりズレたりすると
当然
ブランコの椅子(下顎骨)を
支えている左右の鎖(筋肉)に
悪影響が及びます。
舌を動かす筋肉の
- 口蓋舌筋(こうがいぜっきん)
- 茎突舌筋(けいとつぜっきん)
- オトガイ舌筋
- 舌骨舌筋(ぜっこつぜっきん)
は下あごの骨(下顎骨)に付着しています
下顎骨が右か左にズレると
下あごの骨(下顎骨)に付着している
筋肉に対して悪影響を与えます。
その悪影響の1つが
舌を動かす筋肉におよぶと
真っ直ぐ舌が前に出ず
右もしくは左に舌が出てしまいます
顎関節症のチェック法はいかがでしたか?
1つでも自分に思い当たる
顎関節症のサインがあった方は
もう少しだけ今回のお話
「顔のむくみ気になりませんか?(顎関節症)」
にお付きあい下さいませ
むくみについて
何かしらの原因やきっかけで
動脈や静脈を流れる「血液」や
リンパ管を流れる「リンパ液」の
流れや循環が悪くなると
- 顔のむくみ
- 脚のむくみ
- 手指のむくみ
などの
身体にむくみが出現します
血液とリンパ液の2つの役割
1つ目の役割は
身体のさまざまな組織や細胞に
必要な
- 栄養
- 酸素
を血液やリンパ液で運びます。
2つめの役割は
身体のさまざまな組織や細胞から
不必要になった
- 老廃物
- 二酸化炭素
を血液とリンパ液で回収します
血液とリンパ液の違い
血液は心臓から
まず、動脈を通して
身体のさまざまな組織や細胞に
必要な
- 栄養
- 酸素
を運び
次に、静脈を通して
身体のさまざまな組織や細胞から
不必要になった
- 老廃物
- 二酸化炭素
を回収して
最終的に血液は心臓に戻ります
血液の成分の一部
血漿(けっしょう)が血管の外に染み出すと
血漿の呼び名が
間質液(組織液)に言い変わります
間質液(組織液)の90%は
血管に再び回収され
残り10%の間質液(組織液)は
リンパ管に回収されます
リンパ管に回収された
間質液(組織液)は別名で
「リンパ液」と言います。
リンパ液は
- 老廃物
- 二酸化炭素
を心臓に運ぶ役目以外に
リンパ液は
体内に侵入してきた
細菌やウイルスを退治して
身体を病気から守る役目もあります
血液やリンパ液の循環ポンプ
1つ目は心臓です
心臓は1分間で60~70回
1日で換算すると
約10万回(70回x60分x24時間)
の血液やリンパ液に対する
循環ポンプ作用があります。
※心臓は筋肉の塊です。
牛や豚の心臓を
焼き肉で食べています。
牛では「ココロ」や「ハート」
豚では「ハツ」
2つ目はふくらはぎです
心臓から血液が動脈を介して
身体の隅々に送り出されていますが
心臓から一番遠い足先には
心臓から血液を送る力(血圧)が弱くなるので
ふくらはぎが心臓の手助け(補助)をしています。
ですので
ふくらはぎは別名「第2の心臓」と呼ばれ
下半身の血液やリンパ液を心臓に戻す
循環ポンプ作用があります
血液やリンパ液に対する
ふくらはぎの循環ポンプ作用は
歩行時に特に作用します。
※日常生活の中で
一時的(短い時間)に
ふくらはぎを使う(鍛える)よりも
足を動かす回数や頻度が多い
ウォーキングや軽いジョギングのほうが
血液やリンパ液に対する循環ポンプを
うまく作用させることが出来ます。
※一般的に
ウォーキングや軽いジョギングの
効果的な時間と頻度は
- 30分~1時間程度
- 週に3回以上
が目安と言われております
3つ目は顎関節です
身体のどの場所でも
関節は筋肉が動かしています。
あごの関節の顎関節は
1日に約2000回から3000回動くので
顎関節を動かす筋肉の咀しゃく筋も
1日に約2000回から3000回動きます
あご周りにある筋肉の咀しゃく筋が
下の図の筋肉の様に
2000回~3000回動くと
顔やあごの周りにある
- 血液
- リンパ液
の循環ポンプ作用に実はなります
4つ目は横隔膜です
呼吸は1分間に15回
1日で換算すると
約2万回以上しています。
※下の図のように
呼吸時に上下に動く筋肉が
横隔膜です。
横隔膜は筋肉なので
焼き肉で食べています。
「ハラミ」や「サガリ」
横隔膜の周りには
血液やリンパ液がたくさん存在します。
ですので
呼吸時の上下運動で
横隔膜が約2万回以上動くと
- 血液
- リンパ液
の循環ポンプ作用になります
※顎関節と横隔膜の
心臓に似た
血液やリンパ液の循環ポンプを
ふくらはぎの「第2の心臓」に続く
「第3の心臓」
「第4の心臓」
と記載している文献がございます
正しい呼吸が出来ていますか?
肩こりや首こりの時によく触る
首の後側にある筋肉ではなく
首の前側にある筋肉を
一度触ってみましょう
首の前側にある筋肉が
凝ったり張ったりして
硬くありませんか?
首の前側にある筋肉
- 胸鎖乳突筋
- 前斜角筋
- 中斜角筋
- 後斜角筋
は呼吸を補助する筋肉です。
横隔膜を使う
正しい呼吸が出来ていないと
首の前側にある呼吸を補助する筋肉を
横隔膜の代わりにたくさん使います。
筋肉はたくさん使うと
凝ったり張ったりして
硬くなります。
例1)首の前側にある筋肉の
- 前斜角筋
- 中斜角筋
- 後斜角筋
が硬くなると
「腕の痛み」や「腕のしびれ」
「背中の痛み」の原因になります
例2)首の前側にある筋肉の
胸鎖乳突筋が硬くなると
- 頭痛
- 眼精疲労
- 耳の痛み
- あごの痛み
の原因になります
顔のむくみと顎関節症の関係
顎関節症になると
口が真っすぐ開かないので
あご先が左右どちらかにズレます
あご先が左右どちらかにズレていると
あご(顎関節)の動きが
正しい軌道上では出来ないので
あごを動かす筋肉も正常に働きません。
あごを動かす筋肉が正常に働かないと
1日に約2000回から3000回動く
顎関節の「血液やリンパ液の循環ポンプ」が
顔やあごの周りでうまく作用しません
顎関節の「血液やリンパ液の循環ポンプ」が
顔やあごの周りでうまく作用しないと
顔やあごの周りの「血液」や「リンパ液」の
流れや循環が悪くなるので
顔のむくみが起こりやすくなります
顔にむくみが起きてしまうと
今現在の自分の顔が
昔の自分の顔に比べて大きくなります
さらに
顔のむくみが起こり
顔やあごの周りで「血液」や「リンパ液」の
流れや循環が悪くなると
顔の組織や細胞に
栄養や酸素が十分に行き届かなくなるので
顔の組織や細胞の機能が低下して
- 顔のたるみ
- 顔のシミ
- 顔のしわ
などの
お肌の老化の原因になったり
顔のむくみが起こり
顔やあごの周りで「血液」や「リンパ液」の
流れや循環が悪くなると
顔の組織や細胞に
老廃物や二酸化炭素がたまり
- 顔のコリ
- 顔の固太り
- 肩こり
- 首こり
- 背中のこり
などの原因になることも…
顎関節症で口が開けにくい方は
顎関節の可動訓練をしましょう。
顎関節の可動訓練の正しいやり方①
両方の顎関節に手を置いて
軽く口を開けます
※耳の前方(約1cmの所)に
口の開け閉めに関係する
顎関節がございます
次に
軽く口を開けた状態で
あご先を右と左に動かします。
※回数は5から10回ぐらい
※痛みがある顎関節側は
一般的に動かしづらいです
※あご先の動きが右と左で
同じぐらいなるように練習しましょう
顎関節の可動訓練の正しいやり方②
両方の顎関節に手を置いて
口を開けられる範囲で大きく開けます
※開口のスピードはゆっくり
※回数は5から10回ぐらい
※開口時の軽い痛みは
気にしなくて大丈夫ですが
開口時に強い痛みがある場合は
すぐに中止してください
顎関節の可動訓練の正しいやり方③
痛みがある顎関節側に手を置く。
もう片方の手の指を使って
口を開けられる範囲で大きく開けます
※開口のスピードはゆっくり
※回数は5から10回ぐらい
※痛みがある所や出る所まで動かす
可動訓練の効果を確認
顎関節の可動訓練前
縦に指が2本入る状態が
顎関節の可動訓練後
縦に指が3本入る状態になれば
効果が出ています
※顎関節の可動訓練の前より
少しでも口が開けやすくなれば
効果は出ています。
最終目標が
縦に指が3本入る状態です。
※注意して下さい
顎関節症は顔のむくみだけではなく
「顔の歪みやズレ」とも関係しています。
顎関節症になると
顔のエラの部分にある
あごの関節(顎関節)を動かす筋肉
咬筋が硬く盛り上がる傾向があります
筋肉が硬く盛り上がるとは
専門用語で言い換えると
「筋肉が収縮し続けている状態」です
- 筋肉は収縮すると
- 筋肉の縦の長さが短くなり
筋肉は硬くなります
さらに
筋肉は収縮すると
筋肉の横幅が広くなり
筋肉は盛り上がります
顎関節症が原因で
顔のエラの部分にある
あごの関節(顎関節)を動かす筋肉
咬筋が硬く盛り上がると
下の図の赤い矢印方向に
骨を引っ張る力が常に発生しています
例えば
下の図の赤い矢印方向に
骨を引っ張る力が常に加わると
咬筋は
顔の骨(顔面骨)の
頬骨弓(ほお骨)~下顎角(えらの場所)
に付着しているので
- ほお骨(頬骨弓)が出っ張ったり
- ほお骨(頬骨弓)が下がったりして
左右のほお骨の位置や高さが違う
「顔の歪みやズレ」の原因になります
さらに
ほお骨(頬骨弓)の高さや位置がズレると
ほお骨(頬骨弓)は
目(眼球)を入れる骨の一部なので
- 左右の目の高さ
- 左右の目の大きさ
が違う原因にもなります