食いしばりと自律神経失調症の関係と整体

現代人は昔の人に比べて、精神的ストレスや生活習慣の乱れ、運動不足、パソコン・スマホの使用で膨大な情報が脳に入り事により脳疲労などで、自律神経のバランスが乱れがちです。

自律神経のバランスが乱れると、心のバランスや身体のバランスが崩れ、日々の生活に支障をきたすような、心身の不調を訴えるようになります。

さらに歯の食いしばり癖が加わると、自律神経のバランスがさらに乱れて、自律神経失調症が悪化する恐れがございます。

今回のブログは、「食いしばりと自律神経失調症の関係と整体」とについて書きました。

今回のブログの内容が、食いしばりの改善と、自律神経失調症のつらい症状に悩まされている方の、体調改善に少しでもお役に立てれば幸いでございます。

自律神経とは

人間の神経には、体性神経と自律神経の2種類の神経がございます。

「体性神経」は、外部環境の情報を脳に伝える知覚神経と、手足などの筋肉を動かす運動神経があり、運動神経は意識でコントロールすることが出来ます。

「自律神経」は、全身の 消化器系・呼吸器系・循環器系などに張り巡らされています。胃腸の消化活動、呼吸、心臓の拍動(血液の循環)、血圧や体温などの働きは、すべて自律神経によって自動的に調整されています。例えば、夜になったら眠くなるのも、暑くなったら汗がでるのも、全て自律神経が働いているおかげで、日々の生活、天候や気温に変化がおきても、常に身体を正常な状態に保ってくれます。ちなみに、自律神経は意識でコントロールすることは出来ません。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は身体が興奮した時に働く神経で、副交感神経はリラックスしているときに働く神経です。交感神経と副交感神経は正反対の働きをしていますが、シーソーのようにお互いに絶妙なバランスを保つ事で、常に身体を健康な状態に保っています。

<交感神経が優位になると>

  • 瞳孔が開く
  • 心拍数が増える
  • 呼吸が激しい
  • 胃腸の働きを抑制する
  • 汗が出る
  • 鳥肌
  • 脳の血管が狭くなる

<副交感神経が優位になると>

  • 瞳孔が閉じる
  • 心拍数が減る
  • 呼吸が穏やか
  • 胃腸の働きが活発になる
  • 脳の血管が広くなる

※一般的に、活動している時は交感神経が優位になり、休養している時は副交感神経が優位になります。

緊張する場面で、心臓がバクバクしたり(心拍数が増えたり)、手が震えたり、目や喉がカラカラしたり(内臓の働きが抑制され、涙や唾液が出ない)、汗がダラダラ出たりするのは、交感神経が優位に働いているからです。

自宅でのんびりしていると、副交感神経が優位になり、呼吸や心拍が穏やかになりついウトウトしたり、内臓の働きが活発になり小腹がすいたりします。

自律神経失調症とは

何かしらの原因(ストレス)で、活動時に働く交感神経と、安静時に働く副交感神経から成る、自律神経のバランスが乱れ、心と身体に様々な不調(症状)がおきる事を、「自律神経失調症」といいます。

※仕事や家庭(家事や育児、介護)・学校などで、日々ストレスを感じることが多い現代社会では、戦う神経の交感神経が優位を通り越して働きすぎ、自律神経失調症になるケースが大半です。

また、筋肉を使いすぎると、筋肉が疲労して筋肉がうまく働かなくなるのと同じで、交感神経が優位を通り越して働きすぎると、交感神経が疲労して交感神経がうまく働かなくなります。交感神経がうまく働かなくなると、今度は副交感神経が過剰に働きすぎるようになります。

極度の長時間労働(交感神経優が過度に働く)が長年続くと、労働者がうつ病(副交感神経が過度に働く)を発症するケースが多いのは、上記の理由によります。

自律神経の乱れがあると

例①風邪が治りにくい、よく風邪を引く

人には本来自然治癒力があり、自力で身体を回復する能力が備わっています。風邪で熱が出ても大半は安静にすれば治りますが、安静にしても昔に比べては風邪が治りにくくなった場合は、自律神経が乱れて、身体の回復する力(自然治癒力)が弱まっている可能性がございます。

さらに、自律神経が乱れて、身体の回復する力(自然治癒力)が弱まっていると、よく風邪を引いてしまいます。

例②身体の疲労がとれにくい、夜中によく目が覚める

人は眠ることで身体がリラックスし、日々使った身体の疲労が回復しますが、眠っても昔に比べて身体の疲労がとれにくくなった場合は、自律神経が乱れて、睡眠の質が落ちている可能性がございます。

さらに、自律神経が乱れて、睡眠の質が落ちていると、夜中によく目が覚めてしまいます。

※他には

  • 鼻がよく詰まる
  • 舌がよく白くなる
  • 口がよく荒れたりする

などの身体のサインがあると、自律神経が乱れている可能性がございます。

自律神経失調症の症状

自律神経のバランスが乱れて、自律神経失調症になると、心や身体にさまざまな症状(不調)を訴えます。

身体の不調
頭痛、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、耳鳴り、のどの詰まり、胸が苦しい、目や口の渇き、食欲不振、胃の不快感、吐き気、ほてり、冷え、睡眠障害、便秘、下痢、生理不順、肩こりや首こり、背部痛、腰痛、手足のしびれや痛み、倦怠感、脚のむくみなど

※自律神経失調症の方は、体の力を抜けない(筋肉の緊張が強い)人が多いです。

ですので、姿勢を良くしたり運動をしても、なかなか改善しない肩こりや首のコリ、実はその原因が、自律神経のバランスの乱れによる、筋肉の緊張(肩こりや首のコリ)からきているのかもしれません…

精神的な不調
イライラする、怒りっぽい、気分の落ち込み(抑うつ)、不安感、感情の起伏が激しい(情緒不安定)、記憶力の低下、集中力の低下、やる気が出ない

これらの心身の様々な症状は、単独で現れたり、複数が重なって現れたりと、人によって症状の出かたはかなり異なりますので、全ての人に、上記の症状が現われるわけではありません。さらに、同一人物であったとしても、日によって症状が出たり消えたりと、症状の現れ方はとても不安定です。

※自律神経失調症を訴えるほとんどの人は、単独の症状ではなく、複数の症状を訴える事が多いのですが、まれに、上記の色々な症状が、重篤な病気から出ている可能性もございますので、整体院の先生や勝手に自分で、上記の色々な症状を、自律神経失調症と決める前に、まずは医療機関で一通りの検査をする事をお勧めします。

自律神経失調症の原因
  • 仕事の過度の肉体的・精神的なストレス
  • 仕事以外での過度の肉体的・精神的なストレス
  • 夜遅まで(深夜から未明でも)活動できる生活
  • 生活リズムが乱れてしまったり、不規則な生活習慣
  • パソコンやスマホで目や脳を酷使する生活
  • 食生活の変化
  • 噛み合わせ
  • 女性ホルモンのバランスが乱れる

などの原因が、私たちの体(自律神経)に負担になった結果、自律神経失調症になります。

また、性格が真面目で几帳面な人、神経過敏な人、完壁主義な人、他人に対して自分の意志や感情をうまく表現できない人に、自律神経失調症が多く見られる傾向がございます。

※「加齢」も自律神経失調症に関係します。交感神経の働きは、年齢を重ねてもあまり変化しないのですが、副交感神経の働きは、30代を境に徐々に低下(変化)します。副交感神経の働きが弱まれば、相対的に交感神経の働きが強くなるので、自律神経のバランスが崩れ、自律神経失調症が生じり事がございます。

自律神経失調症の一般的な対処法

心身の様々な不調を抱えていると、まずは内科や外科などを受診して、不調の原因が分かればそこで治療します。

内科や外科などを受診して、不調の原因が分からなけば、心療内科や精神科の受診を勧められる事が多いです。

一般的な病院や心療内科での治療
☑自律神経調整薬の処方

自律神経系の乱れを調整する薬

☑安定剤(精神安定剤=抗不安剤)の処方

日常生活に多大な支障が出るほど、不安や緊張が強い場合に処方され、リラックスした状態を作り出すお薬

☑抗うつ剤

病的な気持ちの落ち込みの場合に処方され、意欲や活力が心や体にスムーズに伝達できるようにする薬

☑筋弛緩剤

筋肉の緊張を緩和させる場合に処方され、コリと痛みの悪循環を断ち切るお薬

☑睡眠導入剤、睡眠薬の処方

寝つきが悪い、眠りが浅い不眠気味の人や、夜眠れない不眠症の人に処方されるお薬

※睡眠薬のなかで、作用時間が短いタイプの薬剤が、睡眠導入剤です

☑星状神経節ブロック

首の前面にある星状神経節(交感神経節)に、局所麻酔薬の注射またはレーザー照射をして、過度の交感神経の働きを抑制する

☑漢方薬の処方

☑カウンセリングや認知行動療法 (認知療法)

☑生活習慣の指導

生活リズムを整えたり、十分な休息や睡眠を取ったり、過度の飲酒やカフェインの過剰摂取を控える、など

☑呼吸の訓練

呼吸が早く浅いと、自律神経のバランスが乱れやすいので、呼吸をゆっくり深くすることで、自律神経のバランスを整える

一般的な接骨院や治療院での治療
☑痛みや不調がある部位に電気を当てる

☑痛みや不調がある部位をマッサージする

☑痛みや不調がある部位に湿布をはる

☑痛みや不調がある部位に運動療法や鍼、整体を施す

病院や接骨院、整体院での治療方法は異なりますが、「まずは自律神経失調症の症状を緩和し、症状が少し落ち着いてきたら、自律神経失調症の原因(人間関係や環境)に向き合っていくアプローチをとる」、治療の考えは似ています。

自律神経失調症がなかなか治りにくいのは、病院や接骨院、整体院での治療方法で、せっかく症状が落ち着いても、自律神経失調症の原因(人間関係や環境)、例えば、仕事の人間関係や仕事が夜間勤務(労働環境)、個人の性格や体質などは、容易に変更が出来ない事と、先ほども述べましたが、いろいろな原因が複雑にからみあって自律神経失調症になる事が関係しています。

「自律神経失調症がなかなか治りにくい」とは言っても、なぜ自律神経の乱れがおきたのかを自分自身で気付き、原因となったストレスの解消や、原因となった生活習慣(運動、食事、睡眠)の改善をすることで、自律神経の乱れを回復させる事は可能です。乱れた自律神経を回復させる事ができれば、心と身体は元気を取り戻し、自律神経失調症が治ります。

※自律神経失調症に限った話でなく、腰痛や肩こりに対する病院や接骨院、整体院での治療方法も、症状を緩和させる対処療法です。根本解決(お悩み解消)には、「なぜ腰痛や肩こりになったのか?」を考え、もし姿勢不良が原因であれば姿勢を良くしたり、運動不足が原因であれば運動をするなど、患者さま自身が原因に対して向き合う事が必須です。

ダイエットも考えは同じです。消費カロリーよりも摂取カロリーが上回れば、消費されなかったカロリーが脂肪として蓄積されて太ります。たしかに運動をして消費カロリーを増やす事は、重要な事ではございますが、「なぜ太ったのか?」を考えれば、ほとんどの太る原因は、摂取カロリーの取り過ぎなので、運動で消費カロリーを増やすより、食事の内容や量を見直して、摂取カロリーを抑えるほうが、効果的にダイエットが可能です。

食事の内容や量を見直す事と同時進行で、運動をして消費カロリーを増やすと、さらに効果的なダイエットが可能です。

自律神経失調症も、患者様が自律神経失調症の原因と向き合う事と同時進行で、病院や接骨院、整体院で治療をして症状を緩和させると、自律神経失調症の改善に大変効果的です。

自律神経失調症と「食いしばり」の関係

まずは自分に、食いしばりがあるかどうかを、一度チェックしてみましょう。

舌圧痕(ぜつあつこん)
鏡を使って口の中を見ると、舌の辺縁に波打ったような形がついている。

舌を歯に押しつけることによって、舌に歯型がつくと、舌の辺縁に波打ったような形がつきます。

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頬粘膜圧痕(きょうねんまくあっこん)
鏡を使って口の中を見ると、口の内側のほっぺ(頬粘膜)、ちょうど上下の歯が合わさる位置に、白い横すじがついている。

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骨隆起(こつりゅうき)
鏡を使って口の中を見ると、上あご(上顎骨)の真ん中や、下あご(下顎骨)の内側に、ボコボコした骨の出っ張りがある。

上あご(上顎骨)の真ん中

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下あご(下顎骨)の内側

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歯の楔状欠損(くさびじょうけっそん)
鏡を使って口の中を見ると、歯の生え際が「楔状」にえぐれてしまっている。

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※「楔状」とは

V字形または三角形です

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咬耗(こうもう)
鏡を使って口の中を見ると、歯のエナメル質や象牙質がすり減って歯が削れてしまっている。

以上のことをチェックして、当てはまる項目が多いほど、食いしばっている可能性がございます。

※食いしばりのサインとして他には

ドライマウス・・・食いしばる事で唾液腺が圧迫されると、唾液の分泌量が低下して、ドライマウスをおこしてしまいます。

舌の痛み・・・食いしばる事で舌の筋肉が緊張した状態にあると、舌がザラザラして、舌に痛みが生じてしまいます。

食いしばりが身体に与える影響

食いしばりがあると、身体にどのような悪影響があるか、まずは自分で体感してみましょう。

①上下の歯を強く食いしばってみてください。

奥歯とその周辺(ほほやこめかみ、首の付け根や肩)に、けっこうな力が加わっていませんか?

上下の歯を強く食いしばって、奥歯にけっこうな力が加わると、歯がすり減ったり歯が欠けたりします。

上下の歯を強く食いしばって、首の付け根や肩にけっこうな力が加わると、首や肩の筋肉が緊張して疲労するので、首や肩にコリや痛みが生じます。

上下の歯を強く食いしばって、ほほやこめかみにけっこうな力が加わると、ほほやこめかみの筋肉が緊張して疲労するので、あごが痛くなったり頭痛がしたりします。

さらには、筋肉は骨に繋がっているので、上下の歯を強く食いしばって、ほほやこめかみの筋肉が緊張すると、顎関節や顔の骨が歪んだり、上下の歯を強く食いしばって、首や肩の筋肉が緊張すると、背骨が歪んだりします。

②上下の歯を軽く食いしばって、鼻呼吸をしてみましょう。

次に、上下の歯を1~2㎜スペースをあけて、鼻呼吸をしてみましょう。

どちらが鼻呼吸がしやすいですか?

上下の歯を軽く食いしばったほうが、鼻呼吸がしにくくなったと思います。

その理由として、上下の歯を軽く食いしばるだけで、最低でも自分の体重と同じぐらいの力が、全身に加わるからです。全身に力が加わる事で、鼻呼吸はしにくくなります。

上下の歯を軽く食いしばって、全身に力が加わると、首や肩の筋肉だけでなく、腰の筋肉も緊張して疲労するので、首や肩にコリや痛みが生じるだけでなく、腰痛が生じるケースもございます。

※重いものを持ち上げるときに、無意識に歯を食いしばってしまうのは、全身に力が入りやすいからです。

自律神経失調症と食いしばりの関係

自律神経失調症は、頑張りすぎてしまう真面目な人、几帳面な人、こだわりが強い人、他人からの評価を気にし過ぎる人、責任感が強すぎて他人の期待に応えてしまう人、「いや」と表現できず周囲に合わせ過ぎてしまう人、他人に対して精神的な依存が強い人、自己反省をよくする人に、発症しやすい傾向がございます。

当然このようなタイプの人は、色々な事を日常生活で気に留めているので、知らないうちにストレスを過剰に溜め溜め込んでいます。ストレスを過剰に溜め溜め込んでいると、食いしばる事が多いです。

日中では、パソコンや携帯電話など物事に集中している時、仕事や仕事以外の人間関係で嫌な思いをしている時、仕事や育児、介護を頑張っている時に、無意識に「食いしばり」が生じます。

あと、就寝中にも、日中に溜まったストレスを、寝ている間に発散させる為に、無意識に「食いしばり」が生じます。

ですので食いしばりは、強いストレスを感じる場面や、ストレスで緊張を強いられる場面によく生じます。

※アルコールやタバコでも、食いしばりが生じます。もともとアルコールやタバコは、睡眠に良い影響を与えないものです。

アルコールを飲むと、睡眠の前半は、アルコールを分解する時に発生するアセトアルデヒドの影響で、深い睡眠(ノンレム睡眠)に入れますが、後半は浅い眠り(レム睡眠)が増えるので、睡眠の質は下がります。

タバコを吸うと、タバコに含まれているニコチンの覚醒作用で、睡眠時にうまくリラックスできず、睡眠の質は下がります。

食いしばりは、眠りが浅くなっているレム睡眠時に起きやすいので、アルコールやタバコの影響で眠りが浅くなると、夜中の食いしばる回数が増えます。

食いしばりと交感神経(筋肉の緊張)

食いしばることで、物を噛む時やあごを動かす時に使う筋肉、咀嚼筋が緊張して硬くなります。

咀嚼筋が緊張して硬くなると、歯や歯が付いている顔の骨、顎関節に対して影響を与えます。さらに、咀嚼筋が緊張して硬くなると、全身の筋力が瞬間的にアップ(緊張)するので、全身の骨や関節に対しても影響を与えます。

食べる時や重たいものを持つ時に、咀嚼筋を一瞬使用する分にはあまり問題はありませんが、ストレスを感じている時に、奥歯をぎゅっと噛みしめて(食いしばりをして)咀嚼筋を使い続けていると、咀嚼筋や全身の筋肉が常に緊張状態になります。

咀嚼筋や全身の筋肉が常に緊張していると、自律神経の活動する神経(交感神経)が常に刺激され、自律神経のバランスが崩れてしまいます。自律神経のバランスが崩れると、身体と心に様々な症状がおきる自律神経失調症になります。

※交感神経は、全身にある姿勢を保つ筋肉と密接な関係がございます。

交感神経が常に刺激されると、姿勢を保つ筋肉が常に緊張しています。逆に、姿勢を保つ筋肉が常に緊張していると、交感神経が常に刺激されています。

筋肉は、筋肉を動かす運動神経と、筋肉の活動性(感度)を調節する交感神経に支配されています。

交感神経が常に刺激されていると、筋肉(特に背骨の周囲にある姿勢を保持する筋肉)の緊張が亢進して、なかなか脱力ができなくなります。

食いしばりと脳(脳幹や視床下部)

自律神経の中枢(上司)となっているのが、脳(脳幹や視床下部)なので、脳の機能と自律神経は密接な関係がございます。

食いしばりで咀嚼筋が常に緊張すると、緊張した筋肉に血管が押し潰されて、あご周りの血液の流れが悪くなります。

あご周りの血液の流れは、脳にも繋がっているので、食いしばりで咀嚼筋の緊張があると、脳(脳幹や視床下部)にいく血液の流れも悪くなります。

血液の流れが悪くなると、脳細胞に栄養や酸素がうまく回らなくなるだけでなく、脳細胞からでる老廃物をうまく回収することが出来なくなり、脳細胞の代謝スピードが落ちます。脳細胞の代謝スピードが落ちると、脳の機能が低下します。

脳(脳幹や視床下部)の機能が低下すると、自律神経に対する脳(上司)からの指令がうまく働かず、自律神経(部下)の働きが乱れてしまいます。

脳の機能低下で自律神経の働きが乱れると、不安や恐怖感に襲われたり、感情の抑制などの働きが低下して、イライラしたり・怒りっぽくなったり・すぐに悲しくなって落ち込んだり、記憶力や集中力の低下、やる気が出ないなどの症状が現れます。

さらに、食いしばりで全身の筋肉が常に緊張すると、筋肉は骨についているので、全身の骨格のバランスが徐々に崩れます。

全身の骨格の特に、頭部と上部の首の骨(頸椎)が歪むと、脳幹にいく血液の流れが阻害されてしまい、脳幹の機能が低下します。

脳幹の機能が低下すると、自律神経に対する脳幹(上司)からの指令がうまく働かず、自律神経(部下)の働きが乱れ、自律神経失調症を引き起こします。

自律神経が乱れいる人と食いしばり

自律神経が乱れている人は、全身の筋肉が緊張している事が多いので、その状態に歯の食いしばりが加わると、さらに全身の筋肉が緊張してしまいます。

全身の筋肉が緊張すればするほど、自律神経はより乱れてしまいます。自律神経がより乱れると、自律神経失調症の症状がよけいに悪化します

ですので、自律神経に乱れがある人は、歯の食いしばりには十分注意が必要です。

豆知識

TCH(歯列接触癖)とは、食いしばりよりも軽い力で、上下の歯を持続的に接触させる癖の事を言います。

上下の歯が接触してよい時間は、1日20分程度です。

くちびるが閉じていても空いていても、上下の歯は接触しない(1~2㎜スペースが空いている)のが普通です。

食いしばりより軽い力でも、TCH(歯列接触癖)で歯の接触時間が長時間に及べば、ほほやこめかみにけっこうな力が加わり、ほほやこめかみの筋肉が緊張して疲労します。ほほやこめかみの筋肉が緊張して疲労すると、あごが痛くなったり頭痛がしたりします。

さらには、筋肉は骨に繋がっているので、TCH(歯列接触癖)で、ほほやこめかみの筋肉が緊張すると、顎関節や顔の骨が歪んだり、TCH(歯列接触癖)で、首や肩の筋肉が緊張すると、背骨が歪んだりします。

また、TCH(歯列接触癖)があると、歯や歯周組織にも負担が掛かり、歯が割れたり欠けたり、被せ物や詰め物がとれたり、知覚過敏になったりする事もございます。

※食いしばりだけでなく「TCH(歯列接触癖)」でも、交感神経が優位になります。

歯の食いしばりの対処法

まずは、日中に食いしばりやTCH(歯列接触癖)がある方は、食べる時以外は上と下の歯を接触させない、詳しく言うと、「口を閉じた状態で、上下の歯に1~2㎜のスペースを空ける」ように心掛けましょう。

日中、食いしばりやTCH(歯列接触癖)を、やらないように気をつけるだけでも、口元がリラックスするだけでなく、全身も楽になります。

夜中に食いしばりがある方は、歯科医院でマウスピースを作り、夜中に装着しましょう。夜中にマウスピースを装着することで、上下の歯が直接接触しないようになります。

歯科医院でマウスピースは、各種保険を使って、4,000〜5,000円程度で作れます。

※日中に食いしばりやTCH(歯列接触癖)があると、筋肉が上下の歯を接触させる状態を記憶してしまい、夜中の食いしばりに繋がる可能性がございます。

ですので、夜中の食いしばり改善の為に、起きている日中に、食いしばりやTCH(歯列接触癖)がある方は、意識して「口を閉じた状態で、上下の歯に1~2㎜のスペースを空ける」ように心掛けましょう。

次に、精神的なストレスが食いしばりに関係しているので、解決できる精神的ストレスに対しては解決に努め、解決出来ない精神的ストレスに対しては、そのストレスを溜めこまずに、散歩やジョギングなどの軽い運動(有酸素運動)やストレッチ、適度な休息で、ストレスを適時発散する事を心掛けましょう。解決出来ないストレスを溜め込みすぎると、食いしばりやTCH(歯列接触癖)が生じる原因になります。

さらに、食いしばりを予防する為に

①歯や歯が付いている顔の骨、顎関節に負担をかけるうつ伏せや横向き寝、頬づえや猫背、爪を噛む癖をやめましょう。

②車の運転や事務作業などで、長時間にわたって同じ姿勢をとる場合は、定期的に首肩のストレッチや深呼吸をしたり、こまめに休憩をとりましょう。

※カフェインの摂取を減らしたり、仕事以外でパソコンやスマホを少しは控えるのも、食いしばりを予防する為には効果的です。

当院での食いしばり対処法①

「食いしばり」の予防には、まず、戦う神経である交感神経の過度の働きを抑えます。次に、リラックスする神経である副交感神経を刺激して、自律神経の乱れを正常にする事が重要です。

当院sakoの考え接骨院では

現代社会の色々なストレスで、食いしばりがあると、筋肉は緊張して硬くなります。筋肉が緊張して硬くなると、戦う神経の交感神経が常に刺激され、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

ですので、食いしばりで硬くなった咀嚼筋や全身の筋肉を、整体や施術で緩めることで、交感神経の過度な働きを抑えます。

さらに、食いしばりで硬くなった咀嚼筋や全身の筋肉を、整体や施術で緩めることで、リラックスする神経の副交感神経は逆に刺激されます。

自律神経の乱れが正しくなると、「食いしばり」の予防だけでなく、身体の不快な症状が楽になったり、精神的な不調が楽になったりします。

※夜中の食いしばりは、睡眠の質が良くない(眠りが浅い)時に起こりやすいです。整体や施術で、リラックスする神経の副交感神経がうまく働けば、睡眠の質が良くなり、夜中の食いしばり予防に効果的です。

当院での食いしばり対処法②

食いしばりが原因で、「自律神経失調症」になった場合。

当院sakoの考え接骨院では

食いしばりで、咀嚼筋や全身の筋肉が常に緊張すると、筋肉は骨についているので、顎関節や全身の骨格のバランスが徐々に崩れます。特に、頭部と顎関節・上部の首の骨(頸椎)が歪むと、脳(脳幹や視床下部)にいく血液の流れが阻害されてしまい、脳(脳幹や視床下部)の機能が低下します。

脳(脳幹や視床下部)の機能が低下すると、自律神経に対する脳(上司)からの指令がうまく働かず、自律神経(部下)の働きが乱れてしまいます。

ですので、食いしばりで歪んだ頭部と顎関節・上部の首の骨(頸椎)を、整体や施術で整えて、脳にいく血液やリンパの循環を良くします。

脳にいく血液やリンパの循環を良くする事で、脳細胞の新陳代謝が高まり、脳(脳幹や視床下部)の機能低下が改善します。

脳(脳幹や視床下部)の機能が正常になると、自律神経に対する脳(上司)からの指令がうまく働き、自律神経の乱れが正常になります。自律神経の乱れが正常になると、身体の不快な症状が楽になったり、精神的な不調が楽になったりします。

最後に

現代のストレス社会では、一度「食いしばり」が発症してしまうと、なかなか改善するのは難しいと言われています。

ですが、日々蓄積するストレスを、上手くコントロール(解消)する事と、規則的な睡眠や食事・適度な運動などの、日々の生活習慣を見直す事で、食いしばりは改善します。

Life is a series of choices

「人生は選択の連続である」

シェークスピアの名言

今までと同じ行動や考えをすれば、今ある食いしばりはあまり改善しませんが、今までと違う行動や考えをすれば、今ある食いしばりは必ず改善します。

※上記の、患者様の日常努力と同時進行で、身体の緊張をリラックスさせる整体や施術を受けると、食いしばりが改善するスピードを早める事が可能になります。

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当院sakoの考え接骨院のホームページを、ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

もしあなたが、食いしばりにお悩みでしたら、性格や体質のせいだと一人で悩まず、ぜひ一度当院までお気軽にご相談ください。

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